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L.A. / Laurence Archer
火薬バカ一代 ★★★ (2025-10-07 00:05:34)
STAMPEDE、UFO、GRAND SLAM等での活動で知られるローレンス・アーチャー(G)が’85年に発表した1stソロ・アルバム。当時CDが発売されたのは日本のみ。それもあっという間に廃盤になってしまい今じゃ中古でも5桁のプレミア価格で取引されているレア盤だっただけに、立ち寄ったCD屋で紙ジャケット/貴重音源収録の別ディスク付属の2枚組という気合の入った仕様で国内盤がリイシューされているのを見つけた時は吃驚仰天でしたよ。
フィル・ライノットも認めた才能豊かなアーティストのソロ作にも拘わらず、なぜ本作は対して話題になることなく市場から消え去ってしまったのか?との疑問に対する答えは、OPナンバー①が始まった時点でわりと明白。この人、イケメンだし作曲センスもギタリストとしての腕前も確かだが、残念ながら歌唱力が壊滅的だったという(ウリ仙人とどっこいレベル)。制作スケジュールがタイト極まりなく、Vo録りにロクに時間が割けなかったなどの事情はあるにせよ、リアルタイムでこの歌を聴かされたら多分「専任シンガー入れんかい」と怒ったと思いますが、今となってはこれも「味わい」として許容できるレベル。あと曲は良いんですよ。『L.A.』というタイトルが物語る通り、Keyをふんだんに取り入れたJOURNEY路線のメロハー・サウンドは、ポップな曲調からキャッチーなコーラス・ワークまで、ローレンスの卓越した曲作りの才がキラリと光る仕上がり。特に直球勝負のAORナンバー①、爽やかに駆け抜けていく④、ゲイリー・ムーアばりの泣きのGが沁みるバラード⑤、亡きフィルに捧げられた哀愁のインスト⑨辺りは、時の試練に耐え得る魅力が備わった名曲。まぁ歌はアレですけども。
何はともあれ再発に感謝感激な1枚。RUBICON MUSICには足を向けて寝られません。

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