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FORCE OF NATURE / N.O.W.
失恋船長 ★★★ (2025-10-01 02:40:49)
メインソングライターでありベースプレイヤーとしても今作に参加するアレック・メンドンカ。彼がプロデューサーも務めるメロディアスロックプロジェクトという形なのでしょうかね。ツインギターにキーボードプレイヤーも参加と、体制は整っていますが、ここでリードヴォーカルを務めるのがソロでも活躍した、フィリップ・バルドウェルの歌声をフィーチャー。彼の熱の籠った歌声は、情熱的なメロディを奏でるギターと相性抜群、もう少しで暑苦しくなる手前で両者が冷静になっているのがポイント。

これもプロデュース冥利に尽きるのだろうが、鍵盤プレイヤーも、実にいい仕事をしていて、曲によっては完全に裏回しをしており、6人編成という厚みを最大限に生かしている。

凡百のAOR系のハードバンドでは到底追いつけない、アイデアとエッジを利かせたサウンド、単に音がデカいだけじゃないバランス感覚、その押引きを生かしドラマ性をアピール。クィーンばりの壮大なナンバーもあるのだが、やはり、このバンドは歌と、楽曲と情熱的な演奏が三位一体となったときに最大の魅力を引き出すのだろう。

Escape Musicということでメロディ派のマニアならば安心して手を出せるブランド力もあります。正直、メンバーのことはイマイチ認識していませんが、そんな予備知識など必要なし、伝統的なサウンドだが、ブルース系の泥臭さはなく洗練度は高い、だがAOR系にありがちな小奇麗さでごまかさない熱情。ロック然とした歯ごたえのあるサウンドが聞き手の心を揺さぶる。

ヴォーカルありきの楽曲重視、コーラスワークもキマり試聴感も上々ですね。やっぱりキッチリ決めて演奏していないんですよね。インプロ然としたリードもある。このあたりがハードサウンドを愛する者には重要な加点ポイントですよ。

歌もギターも巧者。とにかく、なぜ、こんなに認知度が低いのだろう?、このバンドを世に紹介しないメディアなんて価値がないよ。○○風が逆に魅力なんですよ。でも、そこが逆に気になると言えば気になるけどね。それはメロディアスロックをどれだけ聴いているかにもよるので、これから、この手のジャンルに触れる人には丁度いいでしょう。甘すぎないのが押しです。

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